私はワンルーム投資に失敗し、物件を全部売却した後に借金(ローンの残債)が953万円残りました。
ワンルーム投資の失敗の詳細については「新築ワンルームマンション投資失敗で借金をした話(1)~(18)」をご覧ください。
今は正社員になれず、ボーナス無し時給1200円の派遣社員として働きながら、少しずつこの借金を返済しているところです。
2021年の夏に病気で入院しましたが、その後はけがや病気もなく、元気に働いています。
そんな私が交通事故などの不慮の事故で死んだり、病気で突然死などした場合、私の借金はどうなるのでしょうか?
今回は「借金のある私が借金を残して死んだらどうなるのか?」について取り上げたいと思います。
借金をしている私が死んだらどうなるのか?
私は結婚をしておらず、賃貸も借りられないので、両親の家に居候しています。
もちろんお金は月に8万円と少ないですが、居候代として親に支払っています。
兄弟はいますが、皆結婚して別世界で暮らしています。
そんな子供部屋おじさんの私が借金を残した状態で両親や兄弟より先に死んでしまった場合、借金の督促は両親や兄弟にいくのでしょうか?
ちなみに私には連帯保証人はいません。
債務整理で有名なアディーレ法律事務所のホームページに答えが書かれていました。
相続に関して規定した民法896条には、次のように規定されています。
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
引用:民法896条
「一切の権利義務」とあるように、現金、預貯金、自動車、不動産、株といったプラスの財産だけでなく、借金を支払う義務も相続によって受け継がれることになります。では、誰が財産を受け継ぐのでしょうか。民法900条では次のように規定されています。
引用元:アディーレ法律事務所より https://www.adire.jp/lega-life-lab/if-you-die-in-debt316/
家族構成 相続分 子及び配偶者
(例:妻・子が遺された)子 2分の1
配偶者 2分の1配偶者及び直系尊属
(例:妻・母が遺された。子どもなし)配偶者 3分の2
直系尊属 3分の1配偶者及び兄弟姉妹
(例:妻、弟が遺された)配偶者 4分の3
兄弟姉妹 4分の1複数名の子、直系尊属又は兄弟姉妹
(例:子どもが2人遺された)それぞれの相続分は等しい
なんと私の借金は相続によって受け継がれるようです!
そして私の場合は結婚していないため、「直系尊属(両親)又は兄弟姉妹」に私の借金が相続されることになります。
ただし、私に連帯保証人がいたとしたら話は変わってきます。
もし、私に連帯保証人がいたとしたら私の死亡後は連帯保証人が私の借金を返済していかなければならないのです。
この場合は両親や兄弟が私の借金を相続せずに済みます。
では、私が死亡し、連帯保証人も死亡した場合はどうなるのでしょうか?
その場合は私の両親や兄弟が私の借金を相続することになるのでしょうか??
答えはNOです。
この場合は連帯保証人の親族が私の借金を相続します。
どう考えても借金した本人の親族が借金の相続をするべきだと思いますが、残念ながら民法では連帯保証人の親族が借金を相続することが明記されています。
世間では連帯保証人の親族が借金を相続して苦しむケースというのは意外に多いようです。
昔のテレビドラマなどでよくそういった話は出てきたことをふと思い出しました。
借金をしている私が死んだら相続する両親や兄弟はどうしたら良いのか?
借金をしている私が死んだら、相続人である両親や兄弟は絶対に借金を支払わなければならないのか?
それは違います。
相続人である両親や兄弟は「借金を支払う」か「返済義務を免れる」かを選べるのです。
私には不動産などの資産はなく、借金だけしか残っていません。
ですから両親や兄弟は何も迷うことなく返済義務を免れることを選べばよいのです。
つまり、相続放棄をするということです。
相続の放棄の申述
3.申述期間
申述は,民法により自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。
4.申述先
被相続人(借金した張本人)の最後の住所地の家庭裁判所
5.申述に必要な費用
・収入印紙800円分(申述人1人につき)
・連絡用の郵便切手6.申述に必要な書類
・相続放棄の申述書
引用元:裁判所 – Courts in Japanより https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
・被相続人の住民票除票又は戸籍附票
・申述人(相続放棄する方)の戸籍謄本
これは裁判所のホームページからの引用ですが、これを読む限り相続放棄はかなり面倒なことがわかります。
一番気をつけなければならないのは、「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続放棄を申請しなければならない」という点ですよね。
私は両親や兄弟には借金があることを打ち明けていません。
ですから、両親や兄弟は私が死んで数か月以上が経過してから私に借金があったことを知る可能性が高いです。
そうなると私が死んでから3か月以内に相続放棄の手続きはとれるはずがありません。
その場合は単純承認をしたとみなされて、私の借金を両親や兄弟が相続することになります。
しかし、例外があります。
両親や兄弟が相続財産が全くないと信じ、かつそのように信じたことに相当な理由があるときには、3ヶ月を超えても相続放棄や限定承認を行うことができます。
ただし、後々私の借金の存在を知った場合にも
なぜ知ることができなかったのか?
どのような経緯で私が死んで3か月以降に借金を知ったのか?
などを弁護士に相談してアドバイスをもらったほうが良いです。
その前に私が両親や兄弟に借金があることを打ち明けないといけないのに・・・・
それができたらこんなに苦しむことはありませんよ・・・・
数年でなんとか完済したいと思っているのですが、なかなかうまくいきません・・・
まとめ
借金をしている私が死ぬと、その借金も相続の対象となります。
相続人である両親や兄弟としては、借金の返済義務を免れるため(相続放棄のため)に3か月以内に私の最後の住所地の家庭裁判所に相続放棄を申請しなければなりません。
私の借金の存在を知ることができなかった理由などがある場合は3か月を超えても相続放棄はできるので、弁護士に相談してアドバイスをもらうほうが良いでしょう。
とりあえず、私が今死んでも大丈夫なようにしておこうと思います。
遺品整理した際にすぐに見つかる場所に借金のことを書いた遺言ノートを置いておこうと思います。
私のように借金のある人は自分が死んだ後にその借金はどうなるのか、ということを一度考えてみてはいかがでしょうか。
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