私は新築ワンルーム投資に失敗し、多額の借金を背負いました。
融資された新築ワンルーム3件のローンが空室が続いたことにより返せなくなり、物件を全て任意売却しました。
残った残債(借金)は合計953万円でした。
こちらの記事で書いていますが、ローン返済が滞ってしまい、精神的に参ってしまった私は長年勤めていた会社をすでに退職しています。
無職ではありませんが、派遣アルバイトでしか働けなくなった私が953万円の借金を返せるはずがありません。
また、この953万円という借金は元本であり、利息や遅延損害金は含まれていません。
利息や遅延損害金を含めると返済しなければならない金額は1,000万円を軽く超えています。
こうなれば弁護士に依頼して任意整理や自己破産をするべきなのですが、私にはできませんでした。
今回はそれについて書きます。
私が任意整理できなかった理由
任意整理というのはよく聞く言葉ですが、ここで今一度おさらいをしておきたいと思います。
債務整理・借金返済関連で有名なアディーレ法律事務所のホームページからの抜粋です。
任意整理とは?
「任意整理」とは、取引開始時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算すること(引き直し計算)により借金を減額した上で、原則として金利をカットし、元本のみを3年程度の分割で返済する内容の和解を貸金業者と結び、以後この和解内容に従って返済を続けることで、借金を整理する手続きです。
任意整理は、自己破産や民事再生などのデメリットを避けながらも、上記の引き直し計算や金利のカットなどにより、そのまま返済を続ける場合に比べて実際に返済する金額を減額することができるという特徴があります。
引用:アディーレ法律事務所より https://www.adire.jp/ninni/
最初にお金を借りている側が弁護士を通して貸している側と交渉する。
弁護士とお金を貸している側が話し合い、ほとんどのケースが
「金利をカットして借金の元本だけを3年程度の分割で返済する」
という内容で和解する。
そして、お金を借りている側は和解内容に従って返済していく。
要約すると任意整理とはこのようなことのようです。
金利をカットしてくれるのは大変ありがたい!
でも、借金の元本を3年程度の分割で返済することは私にはできません!
なぜなら、私の借金は953万円なので、3年で分割返済するとなると月々の返済額は
約26万4千円
となり、派遣アルバイトの私には到底無理な金額です。
会社員時代の私の月収でも税引き後で約24万円だったので、会社員を続けていても分割返済は無理だったでしょう。
いくつかの弁護士事務所に相談しましたが、私の場合は任意整理は不可能と言われてしまいました・・・・
私が個人再生できなかった理由
任意整理の次に検討する人が多いと言われる個人再生ですが、あまり聞いたことがない言葉だと思います。
個人再生は自己破産のように借金をチャラにできるというわけではないですが、任意整理と違って借金の元本を大幅に減額できる手続きです。
自己破産と違って持ち家や車などの財産を手放すことなく手続きができます。
手続きですので、裁判所に申し立てる必要があります。
そして、手続きが認められるとその減額された借金の残りを3年~5年(原則3年、特別な事情があれば5年)の分割で支払っていくというものです。
ただ、個人再生するにも条件があります。
- 借金の総額が5,000万円を超えていないこと
- 将来において継続して収入を得る見込みがあること
この2つを満たせば裁判所に個人再生が認められます。
私は全部で953万円の借金ですので、5,000万円は超えていません。
収入は派遣アルバイトで月の手取りが12万円ですが、不安定なので「将来において継続して収入を得る見込みがある」かは微妙ですね。
もし、個人再生が認められると借金は私の場合「5分の1」となります。
つまり、190万6千円(借金953万円の5分の1)の返済額となります。
これを3年で完済しなければならないので、月々の返済額は5万3千円です。
なんとか返済できそうな感じです。
しかし、司法書士や弁護士に依頼する費用が40万~50万円かかります。
貯金がない私には分割払いを提案されましたが、それも厳しかったのです。
また、個人再生をすると私の住所氏名が「官報」に掲載されることも知りましたので、泣く泣くあきらめました。
官報を見ているのは区役所などの税金担当者や、金融機関・信用情報機関で働く人なのですが、妹が金融機関に勤めているので万が一知られることを恐れました。
両親や兄弟姉妹には知られたくありませんから。
あと、個人再生をすると信用情報機関にも載ります。
信用情報についてはこちらの記事を参考にしてください。
信用情報に個人再生の情報が載りますので、クレジットカードの審査はまず通りません。
また、ローンを組むことや銀行からお金を借りることもできなくなります。
こういったことから官報に載ることよりも信用情報機関に載ることのほうが嫌だという人が多いようです。
私が自己破産できなかった理由
最終手段である自己破産ですが、私ができなかった理由は2つです。
- 自己破産に必要な司法書士・弁護士費用を捻出できなかった
- 両親と同居していたため、両親に内緒で自己破産するのは不可能であった
自己破産するには司法書士、もしくは弁護士に依頼するしかありません。
依頼料が50万~60万円ぐらいなのですが、当時の私にはそのお金を用意できませんでした。
なぜならワンルーム物件のローンを滞納した時に知り合いからお金を借りてしまい、その返済の真っ最中だったからです。
知り合いなど一個人には「どんなに苦しい状況でも返済しないと駄目だ」と私は思ってましたので、自己破産を依頼するにはその返済をストップしないと無理でしたので、あきらめました。
もちろん分割払いもできるのですが、それすらも当時は無理な状況でした。
また、その当時は両親と同居していたので、自己破産するには同居している両親の収入の証明や財産に関する書類、家計収支表などの書類が必要でした。
その書類がないと裁判所に自己破産の申し立てができないので、両親に内緒で自己破産するのは不可能なんですね。
その書類は両親の協力がないと揃えることはできません!
絶対に両親には内緒にしたかったので、自己破産をあきらめました。
ちなみに一人暮らしであれば、両親に内緒で自己破産できました。
私の借金は両親に保証人になってもらっていない借金なので、両親と別居なら内緒で自己破産できたのです。
両親が保証人になってもらった借金なら私が自己破産しても、両親に借金返済の督促がいって大変なことになりますからね。
その当時は一人暮らしをしていましたが、一人暮らしを継続する金もなくなってしまい、両親には「会社をうつ病で辞めて生活が苦しいから一時的に居候させてください」と頼んで住まわせてもらった経緯があるので、無理でしたね。
ちなみに当然「官報」にも名前が載るので、個人再生と一緒で金融機関に勤めている妹に知られる恐れも考えられましたので、やっぱり無理でしたね。
まとめ
任意整理・個人再生・自己破産は司法書士、もしくは弁護士に依頼して行います。
依頼料は30万~60万円あたりが相場です。
分割払いもできます。
- 任意整理・・・金利をカットして借金の元本だけを3年程度の分割で返済
- 個人再生(※)・・・借金の元本を大幅に減額でき、減額された残りを原則3年で分割で支払う
- 自己破産(※※)・・・裁判所に申し立て、認められれば借金がチャラになる
※信用情報機関や官報に名前が載る
※※官報に名前が載る
自己破産について注意点です。
親や親戚が借金の保証人なら、あなたが自己破産してもその後に債権者は保証人の親や親戚に借金返済の督促をします。
保証人は借主が自己破産したり、逃げたり、死んだ場合は借主の代わりに借金を返済しなければなりません。
大学進学のために借りた奨学金(教育ローン)は親を保証人にしていることが多いですから、そういった人は自己破産は絶対に避けなければなりません。
このように自己破産を選択できないケースがありますので、個人再生や任意整理を検討してみるなど、借金の総額やその時の自分の収入見込み、状況によって選択してください。
一番いいのは任意整理なんでしょうが、相談した司法書士や弁護士さんに話を聞くと、個人再生か自己破産を勧めるしかない人が多いそうです。
それだけ借金の額が多いのでしょうね。
その多くが高額商品のクレジットでの買い物、ギャンブル、株やFXで首が回らなくなった人みたいです。
私もどうせ借金するならそっちのほうが良かったです。
ワンルーム投資で騙されて借金作って・・・・
一時の幸福感すら得られなかったのですから。
ちょっと最後に話がそれましたが、借金で首が回らない人は参考にしてみてください。
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