今回はワンルーム投資に手を出してしまった人のための記事です。
直近でワンルームマンションを購入しましたっていう人には読んでもらいたい記事です。
買ってしまったけれど、もうそろそろ売りたい!
または、今ワンルーム販売業者から営業を受けていてワンルーム投資買おうかどうか迷ってるっていう人にはぜひ読んでもらいたいです。
私が借金をしたのは、ワンルーム販売業者に騙されてワンルーム投資に手を出してしまったせいです。
私が借金をした経緯については「新築ワンルームマンション投資失敗で借金をした話(1)~(18)」をご覧ください。
ワンルームマンション投資について
ワンルーム投資が流行りだしたのは2010年ぐらいからです。
本格的に熱がついてワンルーム不動産会社が乱立してきました。
ワンルームの投資をしたけれども、正直手出しばかりで赤字なので、もう手放したいというふうに思われている人がいると思います。
実際に私のところにも相談が寄せられています。
ほとんどの場合、痛い思いをして清算しています。
運良くトントンで売却できた人も稀にいますが、ほとんどの人は売却の際に数百万円の支払いをするためにかなりのダメージを受けます。
ワンルーム投資はほとんどの人が赤字です。
最近のワンルーム投資の販売業者は
「月々1万円の積立で老後の資産が手に入る!」
などとよくわからない謳い文句で営業しています。
しかし、ワンルーム投資は基本的に大赤字になります。
少し赤字で大丈夫だと言う人もいますが、実際に蓋を開けてみると大赤字だったりします。
そこに関してはシビアに数字を把握しておかないと非常にマズイ状況になります。
日本の景気がかなりの好景気になるか、日本の株価が高騰するか、平均年収が1.5倍に増加する状況でないとワンルーム投資は利益がでません。
これは100%あり得ませんので、確実にワンルーム投資はマイナスになります。
それを前提として考えなければなりません。
これは基本的な知識です。
ワンルームマンションの投資のリスク
ワンルームマンションの投資リスクは6つあります。
この6つのリスクをおさえておけばワンルームマンション販売業者の毒牙にひっかかることはありません。
①年間収支がマイナスになるリスク
ワンルーム投資は一応ワンルームマンションという資産を持つのですが、これは残念ながらマイナスの資産です。
なぜなら、ワンルーム投資は月々の収支がほとんどマイナスになるからです。
例えば、家賃収入が月に8万円なのに月々のローンの支払いが8万5千円で毎月の収支がマイナス5,000円。
このようなケースが多いのですが、これだけではなく他にも経費が必要になってきます。
それは、固定資産税や都市計画税です。
東京都心だとワンルーム1件につきおよそ8万円~10万円ぐらいかかります。
これは毎年支払わなければなりません。
他にはマンションの管理費、修繕積立金、保険料なども毎月支払わなければなりません。
そうなると毎月マイナス5,000円のはずが、マイナス30,000円になっていた、というケースもあります。
ですから、月々の収支もしくは年間の収支がどうなのか?ということを見ていかなければなりません。
ワンルーム投資の場合は最初の修繕積立金が3,000円のケースが多いですが、それは永遠に続きません。
10年後、20年後には修繕積立金が1万円、2万円になっていく可能性が高いです。
ですから、保有年数が長いほど赤字が大きくなっていきます。
それに対して10年後の家賃はどんどん下がっていきます。
こうなるともうお手上げ状態です。
②空室・滞納・災害・家賃下落
ワンルーム投資には空室や滞納などのリスクがあります。
家賃収入がストップするのが一番投資で怖いことなのですが、私のようにこれで苦しむ人もいます。
不動産投資で家賃収入を得ることが一番安心な投資であると言われてきましたが、空室リスクは東京都心でも一定数あります。
ほとんどの場合はすぐに入居者で埋まるんですが、1回空室になってしまうと1、2ヶ月ぐらいは物件のクリーニングと募集の期間がかかるので、それも加味した上で収支を把握しなければなりません。
1回入居してもらうと賃貸なので、ワンルームの賃貸は4年ぐらい住んでもらえるケースが多いですが、4年ごとに1,2か月は空室になることを理解してください。
稀に私のように空室地獄になる場合もあります。
これだけでなく、他のリスクもあります。
入居者が家賃を滞納するリスクであったり、ひどい不動産管理会社が入っていると賃料をちゃんと入居者から振り込まれているのに、オーナーに振り込まない会社もあります。
そういった会社に運悪くあたってしまった場合、オーナーは非常に不利益を被ります。
あとは経年変化によって賃料の相場が落ちることも十分考えられます。
当初、新築時で10万円の家賃が取れていた物件が20年、30年経った時に賃料がどれくらいになるかというのは想像するとそんなに難しくありません。
なぜならば、今築30年のワンルームがどれぐらいの賃料なのか見れば良いだけです。
新築時に10万円の家賃だったのが、30年後にはだいたい8万円前後ぐらいになってるケースが多いです。
ひどいと7万5,000円のケースもあるので、そのリスクも考えなければなりません。
③資産価値の下落
ワンルームマンションは築年数が古くなっていくと市場価値は落ちていきます。
経済環境の変化もあります。
2009年は日経平均株価は8,000円台でしたが、今は2万9,000円台です。
経済によっては不動産価格は連動してきます。
ワンルーム賃貸の需要の変化、これを一番考えなければなりません。
どこの場所で買うのか?
東京だったら安心なのか?
というとそうではありません。
東京の中でも都心というのは「東京の都心」のことを言います。
例えば、東京都板橋区は都心ではありません。
「都心の物件」と言われて、全く都心ではない物件を買う人もいます。
本当に都心なのかは考えなくてはいけません。
また、そこに新しくワンルームマンションが建設されたら競合リスクが発生します。
当然、同じ広さで新築と築10年だったら新築の物件に入居したくなるのは当然の心理です。
同じワンルームマンションの競合の存在も忘れてはいけません。
需要は常に変わっているということです。
古い物件でも生き残ることができる場所なのかというところも考える必要があります。
④不動産投資ローンの金利上昇
ワンルームマンションの借入金利は基本的に1.6%~1.7%ぐらいで変動金利で設定している人が多いと思います。
ずっとその金利が続くとは伝えられてないことがほとんどなので、数年すると金利が上がる可能性があります。
日銀の金融緩和も限界にきていて、いつ政策金利が引き上げられるかわかりません。
しかも現在は過去最低水準の低金利のため、変動金利が上昇する可能性は高いでしょう。
⑤サブリース契約解除に多額の費用がかかる
ワンルーム投資をする人のほとんどが「サブリース契約」がついています。
これは物件のオーナーが空室リスクが恐れるので、業者からサブリースを提案されて「サブリースが付いているから融資が出るんです」という風に言われて契約をしている人が多いからです。
サブリース契約書の内容の中に「解除の文言」が入っているのですが、解除するときにかかる費用が明記されています。
解除するときには「家賃の6ヶ月分」。
「6ヶ月分の家賃を払うと解除できる」という風に書いてあります。
家賃の相場が10万円だとした時に6か月分だと「60万円」もかかります。
サブリースの契約解除に家賃の6か月分
10万円×6か月=60万円
「そんなの聞いていない!」という人がほぼ100%です。
なぜなら、ほとんどのオーナーは契約書を全く読んでいないから。
このサブリース契約を解除しないと物件が売れないケースが多いです。
ですから、泣く泣く60万円を払って解除するしかないのですが、売却する時には60万円も余計な費用がかかることになります。
サブリース契約があるために本来の家賃収入がとらなくて、月の収支がマイナスになっている人も多いです。
サブリースの契約をするかどうかはよく吟味したほうが良いです。
「サブリースの文言」が入っていたら、「解除するためにはどうしたら良いのか?」はみておくようにしてください。
⑥投資用ローンの返済手数料が高い
投資用のローン組んでいると、ワンルーム物件を売却した時に投資用のローンを一括で繰り上げ返済しなければなりません。
繰り上げ返済する時に「返済手数料」を別途銀行に支払わなければなりません。
例えば、2,500万円の場合は0.5%~2%ぐらいの手数料なで、11~50万円ぐらいかかってきます。
予想外の費用がかかって結局、マイナスでしたっていうこともあります。
なかなか辛いところです。
私のケースですが、以下の計算書をみてください。
約5年間保有していて、どうにもならなくなって任意売却した物件です。
なんと返済手数料267,258円も取られています!
売却したくても売却できないという人も多い中、売却する時にはサブリース契約の解除の手数料や返済手数料がかかってくるというのもあり、なかなか売却する意思決定ができない人が多いです。
それでも売却した方が良いです!
いえ、売却するべきです!
なぜならば、家賃はこれから下がっていきますし、今まで高収入、高属性だと言われた人もワンルーム投資の危なさを知っています。
つまり、高収入、高属性の人にも「ワンルーム投資をやったらいけない」という情報が回っていますので、そういった層の買い手が減ってきているのです。
当然、中古のワンルームを好んで買いたいという人はかなり少ないです。
ですから、これから10年、20年所有をしても負の遺産にしかならない物件になるのは間違いありません。
処分をするなら実は今、物件を売却するほうが良いです。
幸い、今の不動産の市況は良いです。
不動産の市況が良いにもかかわらず、ワンルーム投資で「赤字を生んでいる物件を持ち続けているということがどういうことなのか」を理解してください。
私は新築ワンルームを3件売却して残債が1,000万円近く残りました。
これを我慢して将来、持ち続けたら毎月、マイナスが5、6万円ずつ積み重なっていくとトータルで何千万もマイナスになっていたと思います。
そして、35年のローンが終わった後には1,000万円にも満たない古いワンルームを持つことになります。
これは最悪のシナリオです。
そういったことを考えていくと、まずは思い立ったら吉日で売却に向けて動いた方が良いです。
購入したワンルーム投資物件のチェックポイント
購入したワンルーム投資物件についてチェックすべきポイントを述べておきます。
もし、今所有されている物件があればそのマンションの管理会社に
・修繕金の値上げがないか?
・修繕金の滞納の有無
・修繕金の値上げの予定がないか?
を確認しましょう。
これは利回りに直結します。
あと大規模修繕の予定があるかないかの確認もしてください。
大規模修繕をやっていくと基本的にワンルームマンションは修繕積立金が貯まっていきません。
大規模修繕で外壁塗装や鉄部塗装、屋上防水などをやったりすると基本的にお金が足りなくなります。
ですから、ワンルームのオーナーは皆、修繕したくないのです。
そうするとマンション自体が劣化するので入居者も入りにくくなります。
当然、賃料も下がっていくという結果になります。
大規模修繕したとしてもお金を積み増さなくてはならないので、修繕積立金が値上げになります。
修繕積立金が値上げになると利回りが下がりますので、売却する金額を低くしないと利回りがあがりません。
そうすると買い手が見つからないということになります。
マンションの価値に直結するので、その点を理解してください。
ワンルーム販売業者の口車に乗らない
最近、このようなワンルーム投資の広告に出くわすと思います。
「年収〇〇〇万円以上の人」
「上場企業勤務の人」
「この条件にあてはまる人にオススメの投資があります!」
これはこの条件にあてはまる人が選ばれている訳ではありません。
この条件にあてはまる人は融資の審査が通りやすい、買ってくれる確率が高いからです。
まあ、「騙しやすい」という表現が正しいですね。
そういった人に販売したくて、このような広告を打っていますので、ターゲットにされてることを認識してください。
ちなみに医者や教師、警察官、公務員がターゲットにされやすいです。
こういった属性の人は注意するようにしてください。
まとめ
ここまで読んでわかってもらえたかと思います。
ワンルーム投資はほとんどの場合、大赤字です。
手を出そうと思ってる人は今すぐやめてください。
手を出そうとしている人は一度私の体験談「新築ワンルームマンション投資失敗で借金をした話(1)~(18)」を読んでください。
売却したいと思っている人は、将来的に傷が大きくなる前に売却してください。
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