私はワンルーム投資の失敗で借金を作り、今その借金を分割で返済しています。
分割でなんとか返済していますが、日々の暮らしにはけっこう苦労しています。
借金は社会人にしか縁がないものと思っていましたが、今は大学生も借金に苦しむ時代になっているようです。
今の大学生はそんなに浪費するの??
最初はそんな風に思ってましたが、実態は大きく違っていました。
今回はそんな大学生の現状と大学生に広がっているマルチ商法について解説していきます。
大学生の借金の現状
ちょっと古いですが、GMOあおぞらネット銀行株式会社が2020年に大学4年生500名と社会人1年生500名の合計1,000名を対象に調査を実施していました。
その中で「現在の借金はいくらくらい?誰・どこから借りている?」という調査項目がありました。
調査12:現在の借金はいくらくらい?誰・どこから借りている?
引用元:GMOあおぞらネット銀行 https://gmo-aozora.com/company/report/20200317/
◆借金(奨学金含む)がある人はどのくらい? 大学4年生35%、社会人1年生40%
◆現在の借金額(奨学金含む) 大学4年生は平均198万円、社会人1年生は平均187万円
続いて、借金について質問しました。 まず、現在の借金の有無を聞いたところ、大学4年生では「借金がある」は34.8%、「借金はない」は65.2%、社会人1年生では「借金がある」は40.0%、「借金はない」は60.0%となりました。
では、いくらくらいの借金があるのでしょうか。現在借金がある人(大学4年生174名、社会人1年生200名)に、現在の借金額(奨学金含む)を聞いたところ、大学4年生・社会人1年生とも「100万円~300万円未満」(大学4年生42.0%、社会人1年生37.0%)に最も多くの回答が集まり、平均は大学4年生197.9万円、社会人1年生186.9万円でした。
また、誰・どこから借金をしているか聞いたところ、大学4年生・社会人1年生とも「奨学金(日本学生支援機構・自治体など)」(大学4年生66.7%、社会人1年生62.0%)が突出して高くなりました。
このGMOあおぞらネット銀行の調査結果をみると、大学生の6割強が奨学金で200万円近くの借金をしていることがわかりますね。
奨学金以外はおそらく生活費や交際費を賄うために学生ローンなどで借金をしていると思われます。
アルバイト収入や親からの仕送りだけで賄えない部分を借金しているのでしょうね。
それは仕方がないですが、奨学金で200万円近くの借金というのが驚きです。
グラフをみると奨学金を含む借金の額が300万以上の人も2割近くいます。
奨学金といってもほとんどの学生が利用しているのは教育ローンですから利息がつきます。
日本学生支援機構を利用しているなら利息は最大で0.3%ぐらいですが、民間の教育ローンは変動金利で3~4%、固定金利で4%のところが多く、返済期間も10年、15年と短い期間になっています。
大学を卒業してから返済が始まるわけですが、月々の返済額がけっこう大きいので、生活のやり繰りに苦労すると思います。
そんなに借金しないと大学にいけないなら、高校卒業してから働けばいいのに!
残念ながら大卒資格がないと、入社できない企業が多いのです。
だから無理して数百万円の借金をしてでも、大学に行きたいと思うわけです。
数百万も奨学金を借りて、何社もお祈りされながら一生懸命就活して、せっかく四年制大学出たとしても、手取り20万以下の仕事に就く人間が大半なのです。
借金をして大学に入学できても、将来の借金の返済のことで不安・・・・・
その不安につけこんで、大学生をターゲットにしたマルチ商法が広がっているようです。
大学生に広がっているマルチ商法
マルチ商法は昔からあるものですが、ここ4、5年は20代の若者がターゲットにされています。
特に18歳を超えた大学生が多いようです。
マルチ商法の商材は最近は「FXの自動売買」が多く、詐欺師(詐欺業者)はSNSで世間知らずの大学生を集客します。
まだ働いていないので、たいしたお金もないはずの大学生がなぜターゲットにされるのか?
それは18歳以上の大学生ならば、消費者金融や学生ローンなどで借金ができるからです。
18歳未満だと契約しても未成年なので、親の許可なく行ったということで契約を無効にできますが、18歳になるとできません。
以前は20歳未満が未成年の扱いでしたが、民法が改正されて2022年4月より18歳以上は成人扱いになりました。
ですから18歳以上の大学生がターゲットにされているのです。
FXの自動売買の手口
手口としてはSNSで「一度喫茶店で会おう」と言い、実際に喫茶店に行くと相手は一人ではなく、二人。
2対1にすることで断りにくくさせる作戦です。
「就職して月20万円でやりたい事ができないで人生送るのバカらしくないかな?」
「奨学金の返済のこともあるし、将来のこと不安にならない?」
と現状への不安を抱かせる言葉をまずは投げかけてきます。
そして
「確実に絶対に儲かる!」
「50万円するけど、1か月ですぐに取り返せるよ。」
などと断定的に言ってきます。
返事に困っていると
「買う人を紹介すればあなたに収入が入るから大丈夫。」
「奨学金の返済も早く終わるし、将来の不安もなくなるよ。」
とも言ってきます。
「でも、お金がないんです・・・」
と言えば、
「学生ローンで借りられるから大丈夫。今から借りに行こう。」
と信販会社に連れていかれて借金をさせます。
その後に契約書 (しっかり作られています) にサインさせ、お金を受け取った後にFX自動売買ツールの入ったUSBを渡される流れです。
契約書には「クーリングオフ」について記載がされていますが、大概の人はクーリングオフ期間が過ぎたあとに「購入したことを後悔」します。
なぜかというと自動売買ツールのロジックは「ナンピン・マーチンゲール手法」や「リピート系注文」なので、毎日少額ながらも利益が確定されることが多いからです。
これらのロジックはコツコツと利益を積み重ねることはできるのですが、一発のドカンで今まで積み重ねた利益を吹っ飛ばすだけでなく、それ以上の損失を被るケースが多いのです。
FXについて真面目に勉強している人ならこういったロジックの長所や短所がわかるので、ツールを使うとしても相場によっては「このロジックは今は通用しない」と判断してツールを止めたりするわけです。
話は元にもどりますが、クーリングオフ期間というのは「8日間」しかありませんからその間に損をする可能性は低く、微妙に利益がでている可能性が高いのです。
だから、クーリングオフしない人が多いのです。
FXの投資教材の手口
「FXの自動売買ツール」のケースの話をしましたが、「FXの投資教材」といったパターンもあります。
この投資教材というのが高額で50万~100万円で売られています。
FX投資教材の場合は、無期限サポートという言葉で勧誘し、「週3~4回のzoomミーティング」や「月1回の会場を借りてのセミナー」などを開催することで購入者の信用をつなぎとめるようです。
ミーティングやセミナーでは普通にFXに役立つ情報を教えてもらったりもしますが、新しい客を勧誘するように洗脳されていきます。
洗脳させるのは簡単で、ミーティングやセミナーの時間を3時間とか長くして受講者を疲れさせて判断能力を失わせるだけで洗脳させることができてしまいます。
仮想通貨のマルチ商法
他にも仮想通貨(暗号資産)への投資を持ちかけるマルチ商法があります。
同じ大学の友人から「仮想通貨に投資すると儲かるし、知り合いを紹介すればマージンがもらえるよ!」と勧誘されるパターンです。
その話に乗るか迷っていると、
「会わせたい人がいるから、一緒に行かない?」
「その人の話を聞けば、大丈夫だとわかるよ!」
などと誘ってきます。
誘いに乗るとレストランや喫茶店、マンションの一室やセミナー会場に連れていかれます。
あとはFX投資教材の手口と同じで、長時間拘束して判断能力を失わせて洗脳させます。
そうすると今度はその人が勧誘活動を行い、連鎖的に罠にはまっていく流れです。
紹介される仮想通貨が取引所に上場している仮想通貨ならいいのですが、残念ながら取引所に上場している仮想通貨ではありません。
マルチ商法で販売される仮想通貨はブロックチェーンを使っていない「なんちゃって仮想通貨」なので儲かるはずはありません。
有名な事例は「2017年のクローバーコイン事件」です。
クローバーコインの手口や特徴について
クローバーコインは、1口30,000円、登録手数料3,000円と消費税の合計35,640円でプレリリースをしていました。クローバーコインの特徴は、大きく分けて次の3つでした。
①日本にビットコインを持ち込んだ中田義弘がプロデュース
引用元:Coincheck https://coincheck.com/ja/article/232#i3
②今、クローバーコインを購入すれば、購入額の20%分の暗号資産リップル(XRP)をプレゼント
③クローバーコインを他の人に紹介し、その人が購入したら、購入額の60%分のクローバーコインを運営から配布
③の「クローバーコインを他の人に紹介し、その人が購入したら、購入額の60%分のクローバーコインを運営から配布」というのがマルチ商法の典型ですね。
マルチ商法は、ネットワークビジネスやMLM(マルチレベルマーケティング)とも呼ばれています。
コインチェックがわかりやすく解説しています。
マルチ商法について
主に口コミによって商品を販売し、同時に購入者を「販売員(ディストリビューター)」として勧誘します。そして、その販売員はさらに別の人を販売員として勧誘していくモデルで、ピラミッドのような多階層構造になっています。
販売員は、自分の商品の売上額が多ければ多いほどマージンを手に入れることができます。さらに自分が紹介した人(ピラミッドで言うとより下の階層の人)の売上額に応じて、報酬を得ることができます。
報酬を得るためには、新たな購入者を見つけ、販売実績を上げる必要があるため、販売員は無理やりな勧誘活動を行ったり、自分自身で商品を購入したりすることもあります。
ですが、人の数が限られているため、広げるネットワークにも限界がありますし、人間関係やお金のトラブルを引き起こす原因にもなると言われています。
引用元:Coincheck https://coincheck.com/ja/article/232#i3
恥ずかしい話ですが、私もこのクローバーコインのマルチ商法に引っかかりました・・・
クローバーコインを販売していた会社は2017年9月に消費者庁と国税庁の両方から強制捜査を受けて販売を停止しました。
儲かるはずはなく、クローバーコインを購入した資金は戻ってきませんでした・・・
私は独身なので、子供はいませんが、大学生のお子さんがいらっしゃる方は一度「マルチ商法」のことをお子さんに説明しておいたほうが良いと思います。
すでにマルチ商法にお子さんがひっかかったとしても責めずに
「いい経験をしたな。」
「世の中は詐欺だらけだとわかっただろ。」
「この失敗を次に活かしていけ!」
ぐらいの感じで会話をすれば良いと思います。
絶対に儲かるなら家族だろうと誰にも話さない!!
それが真実なのですから・・・
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