こんにちは、借金まみれの鈴木健司です。
今回は税金より怖い社会保険料の闇ということで、
なぜ社会保険料はこんなに高いのか?
について書いていこうと思います。
毎月給与明細をみて手取りが少ない、税金が高すぎる!って思ってる人は多いのではないでしょうか。
あれこれ引かれて実際の額面から見ると、手取りがものすごく減っていると思ったりしますよね。
でも、これをよくみんな「税金が高い」って言いますけど、実際のところは社会保険料が高すぎるんですね。
税金も高いには高いけど、それよりも社会保険料の負担が大きいから手取りが少なくなってるのです。
でも、皆さんは「消費税が上がる時は消費税反対!」って言ってたように税金が増えることには敏感なのに社会保険料については無頓着な人が多いのです。
社会保険料は「自分に返ってくるような気がするんで取られても仕方ないか」って思う部分はあると思います。
でも、みんながそういう認識だから、やっぱり国の方も取りやすいところから取っていこうと考えちゃうんですね。
この間ニュースになりましたけど、今少子化対策っていうのがものすごく叫ばれてますよね。
そして、その少子化対策の財源として社会保険料を上乗せするっていう話が出てきました。
私はこれ聞いた時に正直びっくりしました。
なぜなら、社会保険料が高くてこの現役世代の所得が減っているから少子化になってるのに、その社会保険料を上げようって言うんだから本末転倒ですよね。
そういうことですので、皆さんに社会保険料についてもっとよく知ってほしいんです。
この社会保険料について知っていくと我々の給料がどこに消えているかが見えてきます。
それを見ていくと、日本の深い闇があるのが見えてくるんですね・・・
そういうわけで今回は社会保険料についてとりあげようと思います。
社会保険料とは何なのか?
そして何が問題なのかを書いていきます。
これをひもといていくと日本がどんどん貧しくなってる理由がわかると思います。
世界の中でも日本だけが給料が上がらず、どんどん他の国に抜かされていっていますが、なぜそんなことになってるのかその原因が見えてきますよ!
社会保険とは何なのか?
社会保険料とは病気になったり失業したり、そういう何か生活が困難になった時に生活を保障してくれる公的な保険制度です。
そして、社会保険は全部で5つの保険で成り立っています。
①健康保険
一つ目が健康保険です。
病気になった時、多くの人は医療費が3割負担で済みますよね。
こうやって実際の医療費が安く済むのはこの健康保険があるおかげです。
②介護保険
そして介護保険です。
介護保険を負担するのは40歳以上からです。
介護サービスを利用する時とかの費用の負担を軽減するための保険ですね。
③厚生年金
そして厚生年金です。
老後の生活資金のもとになる年金です。
国民全員が入る国民年金の2階建て部分として会社員の人はこの厚生年金に入ってます。
④雇用保険
そして雇用保険です。
これは失業した時に失業給付を受けられたり、職業訓練とかにも使われている保険ですね。
⑤労災保険
最後に労災保険です。
これは仕事をしていて何か事故に遭った時にその治療費などが出る保険です。
社会保険に加入する際は労使折半が基本
この健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険は労使折半となっています。
だから、保険料の半分は会社が負担してくれます。
労災保険に関しては会社が全額負担してくれています。
そして社会保険を適用している会社に勤める場合、必ず社会保険に加入しなければなりません。
サラリーマンやアルバイトで会社で働くとこの社会保険には強制的に加入させられ、保険料が給料から取られていくという制度です。
どれぐらい給料から取られてるかは自分の給与明細見てもらうと分かると思います。
これは給与明細の例です。
この控除のところに健康保険、厚生年金、雇用保険、そして40歳以上の人は介護保険も入っていますが、この社会保険のところで結構な額が引かれてると思います。
そして、税金としては所得税と住民税が引かれているのですが、多くの人はこんな感じで税金よりも社会保険の方が引かれてる額が大きいと思います。
つまり、税金よりも社会保険の方が圧倒的に負担が大きいのです。
この給与明細だと額面では、276,250円ですが、これが手取りでは約21万円まで減っちゃうんですね。
この手取りが減ってるのを見て、皆さん税金が高いって愚痴を言いますが、実は社会保険料が高いのですよ。
しかも、社会保険料の半分は企業が負担しています。
先ほど、健康保険とか厚生年金とかは労使折半になっていると述べました。
これを聞いて、多くの人は「会社が半分払ってくれるのはありがたい」って思ってるかもしれません。
また、会社員で良かったって思ってる人もいるでしょう。
自営業ですと全額自分で負担しなければいけませんからね。
でも、このように保険料が半分で済んで良かったっていう考え方、実はちょっと間違っています!
社会保険料の半分は会社が支払ってくれてますが、その社会保険料は企業にとってはコストです。
企業は人件費から給与を支払ってますが、社会保険料を払うためにその人件費を上積みしなければなりません。
だから、一人の人を雇うためにはその人の給料と社会保険料も用意しておかなければならないのです。
でも、もし企業の社会保険料の負担がなかったとしたら、本来はその保険料分は給与として支払われていたかもしれないですよね?
あなたの給与の額面の金額がその分増えていたかもしれないわけです。
こう考えるとあれって思いませんか?
実はこの企業が半分負担してる社会保険料っていうのは、本質的には労働者の方に転嫁されている隠し保険料ともいえるんですね。
これよく考え出しましたよね!
なんとなく労働者は会社が保険料を払ってくれてるからラッキーと思うかもしれませんが、実はその分自分の給料が減ってたりするわけです。
この隠し保険料が如実に現れているのがねんきん定期便です。
ねんきん定期便には、あなたが入っている厚生年金のこれまでの納付額と老後の受給額が提示されています。
今のまま納付を続けていくと納付額よりも受給額の方が上回りますよ、得ですよって出ていると思います。
だから、皆さん「年金払ったらそれよりも多くはちょっともらえるだろう」というモチベーションにつながってるわけです。
でも、この年金定期便で提示されている納付額というのは自分が払った金額、つまり労働者の負担分のみしか書かれていません。
保険料は労使折半なんでその金額と同じだけ企業側も負担してるわけです。
だから、実質のところ、我々はねんきん定期便に書かれている納付額の2倍を納付しているとも言えるのです。
そんな企業負担分を加えると納付額は受給額を上回ります。
つまり、厚生年金は納付した額よりも受給する額が少ない、損する仕組みになってるんですね。
国民年金は労使折半とかないので、支払う額よりも受け取る額の方が上回ります。
厚生年金は労使折半があるから、企業負担分を入れた総額で考えると実は損する仕組みだったりするんですね。
そうはいっても、会社で働いているなら社会保険からは免れないので絶対入らないといけません。
これを見ると、「国民にわからないように保険料を取ろう」という官僚たちの目論見が見えてきます。
頭のいい人たちはこういうことを考え出すので、我々もそれを見抜くためにこういう知識を身につけていかないといけないわけです。
そんなわけで、この強制的に加入して徴収する制度があるために我々の収入はどんどん減っています。
月収の推移のグラフをみると、1997年から2013年の間でも月収は15%も減少しました。
それに対して社会保険料はこのグラフをみるとどんどん増えてるんですね。
社会保険料率の割合は90年代から2000年代で負担率は1.5倍に増えました。
その分我々の可処分所得、つまり使えるお金が減少してるわけなんです。
この負担率があまりに大きくて、所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す国民負担率が昨年度は47.5%になるという見込みが発表されました。
税金と社会保険で47.5%が給料から引かれるのですからあまりにもひどすぎます!
ネットではもうこれは五公五民!っていう話題で盛り上がっていました。
五公五民というのは江戸時代の年貢の取り率を表した言葉です。
農民がお米を作ってもその半分は領主が取っていくってという制度なんですが、国民負担率47.5%っていうのはこれは江戸時代に領主が取っていくのと同じで、もはや一揆を起こすレベルだって言われているのです。
令和の世の中で江戸時代と同じくらいの搾取が行われているなんて、本当にひどい話です。
なぜ社会保険料は上がり続けるのか?
では、なぜこんなことになるのか?
社会保険料の負担が大きいというのはわかりましたが、なぜ政府は税金を上げないのでしょうか?
それは、税金を上げるのは政治的に非常に困難だからです。
消費税を2%上げるのにあれだけ騒いで、何回も先送りになりましたよね?
だから、税金を上げるとなるとほんと大変なわけなんです。
でも、社会保険料は厚生労働省の一存で毎年ひそかに上がっているのです。
別に国会の審議とかなく、毎年勝手に上げられています。
だから、知らないうちに保険料が上がって我々の手取りが減っていっているのです!
実際、家計に占める税金と社会保険料の負担率の推移についてですが、上のグラフをみてください。
税金のところをまず見てください。
ここでは赤(間接税)と青(直接税)で出てますが、過去と比べても税金はそんなに増えてないんですね。
間接税(赤)のところが、ちょっと消費税の影響で2014年にいっきに増えてますが、それ以外は概ね過去と同じような感じで推移しています。
でも、社会保険料をみてください。
緑の部分ですが、これは年々増えていっているのが一目でわかります。
その上がり方がとんでもないわけですよ!
そのため給与から天引きされる額が年々増えていってるわけなんです。
社会保険料が増える原因とは?
では、社会保険料が増える原因は何なのでしょうか?
これはもう皆さんお分かりの通り少子高齢化です。
子供が少なくて支え手が減る中で高齢者がどんどん増えています。
私は42歳独身、子供部屋おじさんで結婚していませんし、子供は当然いません。
私のように結婚できない、あえて結婚しない人が増えているので、生まれる子供の数は減っています。
それに対して社会保険を受ける人の方がはるかに増えてしまっています。
それが問題なんですね。
社会保険の中で負担が増えているのは年金と健康保険です。
当然ながら高齢者が増えると、年金も健康保険も払う側よりも受け取る側の人の方が増えますよね。
年金も健康保険どちらも現役世代の負担で高齢者を支えているわけです。
そして、高齢者がどんどん増えていますから支える現役世代の負担はますます重くなります。
医療費の問題点
このように現役世代の負担が増えていってるわけなんですが、私はその中でも問題なのが医療費だと思います。
健康保険から支払われる医療費、これがかなり問題なのです。
この膨れ上がる医療費、これも上のグラフを見るとものすごい勢いで医療費が増えてるのがわかります。
高齢者が増えると医療費がものすごくかかるわけですが、ここにメスを入れる必要があると私は思います。
今の医療費の自己負担率、つまり病院に行った時に窓口で支払うのがいくらかっていうのを見てみると現役世代は3割負担です。
でも、高齢者を見ると現役並みの所得の人は3割負担ですが、多くの人は70歳から75歳までは2割負担、そして75歳以降は1割負担なんですね。
つまり、総額の医療費の1割しか払わなくていいわけです。
するとどうなるか?
上の表は病院で処方してもらった薬と薬局で売ってる薬の値段の比較をしたものです。
例えば、湿布だと薬局で2,500円で売られているものが、高齢者が病院で処方してもらったらたった32円で済むんですね。
これだと高齢者は薬局行かずに病院に行きますし、医者も気軽に処方するわけじゃないですか。
その方が医者も儲かりますからね。
でも、湿布自体には痛みを和らげる効果はありますが、根本的に治療する効果はないわけですよ。
根本的な治癒というのは、自分の免疫に頼ったり運動して筋肉を緩める等そういったものが必要なのに湿布なんか意味ないわけです。
同じようにビタミン剤とか漢方薬とかもそうですね。
これだけ安いと誰でも気軽に病院に行ってしまいますね。
だから「念のため」という理由だけで病院へ行く。
自然に治るのに薬を処方してもらう。
そういう人が増えてしまうわけです。
命や健康に直結しない無駄な医療利用が増加してしまうわけです。
病院の待合室行くと年寄りが、
「あのなんとかさん、最近来なくなったけどどうしたんだい」
「いいやあの人、最近体の調子が悪くて病院に来れないんだよ」
みたいな世間話をするために通院している姿がよくみられます。
病院にかかりやすくてみんな等しく医療を受けられるっていうのは素晴らしいことなんですが、気軽に医療が受けられすぎてしまうのは大きな問題です。
また、健康保険には高額療養費制度というのがあります。
医療費が高額になっても一定の金額までしか支払わなくていいっていう上限が決められてるんですね。
だから、その分高額な医療を受けやすくなっています。
これが日本人の寿命を伸ばしてるっていうメリットはあると思いますが、どうなんでしょうね?
だいたい一生の医療費は70歳以降にその半分を使うことになるんですよ。
高齢者になるとそれだけ高額な治療が必要になるということですね。
でも、よく考えてみてください。
人間の寿命は80歳前後じゃないですか?
どう頑張っても90歳ぐらいまでですよ・・・・
悲しいことではありますが、多くの人は80歳前後で亡くなるわけです。
それに向けて体が弱っていくっていうのは仕方のないことで、その自然の摂理にそこまで抗う必要はあるのでしょうか?
高齢になってからの1年2年の寿命を延ばすために一生のうちの半分の医療費をつぎ込む・・・
これが本当に必要なのでしょうか?
例えば、本人が望まない延命治療。
あれ禁止した方が良いと思いますよ。
普通なら動物は物が食べれなくなったらだんだんと意識が薄れていって苦しまずに眠るように死ねるんですね。
それをね無理やり胃ろうでチューブから栄養を取らせたり管につないで生きながらえさせる・・・・
本人はそれが繋がれてるために苦しいから暴れようとするんですが、そうなると拘束しなければならない・・・
ただの虐待ですよ、こんなの。
そうやって生きさせるのって人間的にどうなんだっていう話ですよ。
そこに莫大な医療費がつぎ込まれてるわけですね。
当然、病院は延命治療させた方がかなり儲かります・・・
この3年間の過剰なコロナ対策でもその一端は垣間見れました。
最初の頃は陽性になっただけで入院させました。
入院費は無料でした。
周りの人にうつるから不安というだけで検査を受けなきゃいけなかったり、そこにも莫大なお金がかかっていました。
果たしてこれは必要だったのでしょうか?
社会保険の在り方を見直すべき時にきている
こういったことをそろそろ見直す時期が来ているのではないでしょうか。
私は以下のように見直しをすべきだと思います。
・後期高齢者の自己負担割合を1割から3割へ上げる
・高額治療、特に延命治療の保険適用に年齢制限
こういう政策は高齢者の反発を恐れて政治家はやりたがりません。
票を持っている高齢者の方が圧倒的に数が多いからです。
このような提言をすると「俺たちに死ねって言うのか!」と激怒されて確実に選挙で落ちますから。
だから、マスコミとかメディアでも全然取り上げなかったりするわけです。
この医療費については国民の意識改革も必要だと思います。
例えば、「医療費のお知らせ」が健康保険組合から送られてきますよね。
それで医療費の負担額の実費を知ることも大事だと思います。
本当は風邪引いたぐらいで病院行く必要なんてないのです。
風邪薬飲んで家で寝てねばいいだけです。
日本以外の国はそうしています。
ただの風邪で病院行くなんて日本人ぐらいで、病院や医者を儲けさせてどうするって話です。
そして、命が一番大事という価値観からの転換ですね。
命だけは助けなければいけないということで、高齢者の命を永らえさせるために現役世代のお金がバンバン使われてるわけです。
でも、どう頑張っても人間の寿命は80歳前後です。
そこに湯水の如く現役世代のお金を使うのではなく、もっと自分らしい最期を迎えられるよう工夫していく必要があるのではないでしょうか?
そして一番大事なのは、社会保険料に問題意識を持つことです。
政治やメディアでは税金のことばかりが取り上げられていますが、本当に負担が大きいのは社会保険料の方です。
これを削っていくという方向に目を向けなければなりません。
高齢者の方からするとこの社会福祉を削られるのは自分たちの命に関わると思うかもしれませんが、このままでは高齢者のせいで日本は滅んでしまいます。
若い世代の、その働き手たちの社会保険料の負担が減るとそれだけ所得が増えて税金も多く払うようになりますから、結果的にそれは高齢者の福祉の方に還元されていきます。
持続可能な社会福祉を作るためにはそれを負担する現役世代の数が絶対に必要です。
ですから、高齢者の1年2年の命のためよりも出生率を上げて現役世代を増やす、また現役世代の所得を増やすことのほうが私は大事だと考えます。
皆さんはどう思われますか?
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