私は前回の記事に書いたとおり、任意売却業者に相談に行きました。
そこで、結婚詐欺まがいのような形で女性に新築ワンルームマンションを購入させたり、空室や家賃収入の減少に悩んでいる新築ワンルームマンションのオーナーに赤字を埋めるために追加購入させる悪質な新築ワンルーム販売業者の話を聞くことができました。
前回の記事はこちらです。
いろいろな話を聞き、私の物件の任意売却について質問しました。
「任意売却」は普通の売却とは違いますので、知らない方はこちらの記事をご覧ください。
任意売却業者の答えは驚くべき内容でした。
私の物件を任意売却するためにはどうすれば良いのでしょうか?
所有しているワンルームマンションのローンの引き落とし口座からすべてお金を引き出して、問題が解決するまではお金を引き落とし口座に預けないでください。
えっ・・・どういうことですか??
ローン返済の引き落とし口座から引き落としができないと、借入れの銀行から電話や督促状がきます。
鈴木さんは借入れの銀行から電話や督促状がきているそうですが、払えない理由を銀行にどのように言っていますか?
家賃収入も少しはあるが、今までのローン返済で預金が底をつき生活費が足りなくなったので、生活費に充てています。
ですから、「払えません」と正直に答えています。
早急に入居者さんから振り込まれる家賃の銀行口座を別の銀行口座に変えてください。
入居者さんに振り込み口座が変更になったことを伝えて、別の口座に家賃を振り込んでもらうようにしてください。
あと、借入れ銀行から電話があったら、「全室空室になってしまい、家賃収入が入ってこないためにローンの支払いが全くできない」と言ってください。
このように驚きの答えが返ってきて、一瞬、耳を疑いました。
当然、そのような行動をとるのは理由があるはずなので、続けて尋ねました。
なぜ、そのようにしなければならないのでしょうか?
これから入ってくる家賃収入は税金や弁護士費用、その他にかかる費用のためにとっておいて欲しいのです。
それにこのような状況にもっていかないと借入れ銀行は任意売却に応じてくれないのです。
借入れ銀行に任意売却に応じてもらうにはこれぐらいしないと駄目なのか・・・
やっと理解できました。
借入れ銀行からすれば、このような状況なら「競売」にかけるより「任意売却」で物件を売却してもらったほうがより多く貸した金を回収できるので、任意売却業者の提案を受け入れる可能性が高いです。
ちなみに「競売」だと築浅のワンルームで700万円~800万円で売却が成立するケースが多く、「任意売却」だと1,000万~1,200万円で売却が成立するケースが多いようです。
私はここで思いました。
もしかして、貯金があった時にもこのような方法がとれたのではないか?
あのう、もしかして貯金があった時期でもこのような方法はとれたのでしょうか?
空室が続いて自分の貯金で穴埋めをしていた時期でもこの方法は実行できたのでしょうか?
その通りです。ですから鈴木さんにももっと早い段階で相談していただけたらと思っていました。
でも、ほとんどの人が鈴木さんのように預金を使い果たし、ローンが支払えなくなってここに相談に来ます。
ひどい人になると貯金を使い果たし、消費者金融にお金を借りてまでローン返済をしていて、クビが回らなくなってここに相談に来るケースもあります。
「しまったなあ・・・」と思いつつ、消費者金融に借金まではしてなかったので、「まだ自分は運が良かったのかも」とも思いました。
任意売却が成立したとしても残債は1,500万円ぐらいは残るだろうし、「自己破産するしかないな」と思いました。
すべての物件が任意売却出来た後は、弁護士に依頼して「個人再生」か「自己破産」ですよね?
普通だとそのような方法をとる人がほとんどです。
私は鈴木さんの借入れ銀行が任意売却後にどのような手段で残債処理をするのかを知っています。
まず、A銀行ですが、ここは鈴木さんの状況を把握して残債を回収できないと判断すれば、債権回収会社(サービサー)に債権を譲渡します。
つまり、鈴木さんの残債が400万円だとするとそれの1~10%ぐらい(4万円~40万円ぐらい)で債権回収会社にA銀行は債権を売ってしまうのです。
そうなるとA銀行から督促はこなくなり、今度は債権を買い取った債権回収会社から400万円の督促がくるようになります。
最終的には債権会社から和解提案(債務を大幅に減額)がありますので、それに応じれば良いと思います。
A銀行は私から残債を回収できないと判断したら、債権回収会社に債権を売って会計上の損金処理をするようです。
この流れにもっていけたら自己破産は免れそうです。
他のB銀行や金融業者Cも同じかと思いましたが、どうやら違うようです。
次に続きます。